学研都市のリサーチオフィス / 建築物実績

学研都市のリサーチオフィス(ERATO Sato Project Office)

京阪奈学研都市の研究オフィス(プランニング/インテリア)

Region
京都府
Program
研究室
FloorArea
214.7m²
Completed
2014.4

Photo by Hiroyuki HIRAI

生物科学、医科学、数理科学、工学系科学、計算科学を新しいかたちで融合させた分野横断型科学の研究オフィス。動物実験等を行う生物系のラボは同建物内地下にあり、ここは計算機を用いた演算、シュミレーション等を行うオフィスである。研究所建物そのものは京阪奈学研都市で最初に(1989年)建った建物であり、その一部に今回の研究スペースを設けることとなった。建物は東西に長い形状で南北それぞれに一列研究室が並んでおり、その内側で採光の無い一列は設備用のスペースである。内部の壁は全て非構造壁(鋼製乾式間仕切)であるが、この様なスケルトン/インフィル方式オフィスとしてはごく初期のものであるため、あまりアメニティーの高い空間が実現されているとは言いがたい状態であった。今回オフィスに割り当てられたのは、北側の列(北採光で非常に暗い)で、巾は21.6m(9スパン、引渡時6.5スパンと2.5スパンに分割されている状態)、奥行は8.25m(1スパン)である。当初研究ディレクターからの要望はこの乾式壁による仕切りをそのままに2.5スパンを会議スペースに、6.5スペースを研究者達の為のスペースにするというものであった。しかし、研究員等利用者の人数(最大12人)を考えると研究者達の為のスペースが手狭であり、また会議スペースは使用時以外全く視野外となりメンバーの感じる「広さ感」に全く貢献しない。そこで間仕切り壁は撤去して、ガラス張りの会議スペースを研究スペースの真ん中に配置し、フリーアドレスの机等も含めてタイムシェアして使うことで一人あたりのスペースを稼ぎだす提案を行い採用された。会議室はエントランスからまず最初の位置にあることから必ずメンバーの視野に入ることで研究チームの統合を意識させる働きもある。北側からの限られた採光を室内最奥部まで届かせる為に内装は(メンテナンス上の問題を説明した上で)施主の合意を得て、床カーペットに至るまでなるべく反射率の高い白い材料を使用している。会議室やフリーアドレスの机付近の壁はホワイトボード塗装されており、自由で創造的な議論が随時行えるようになっている

実績一覧に戻る