中京まちや2 / 建築物実績

中京まちや2

京都中心部(中京)での町家改修

Region
京都府
Program
専用住宅(まちや)
Structure
木造2階
SiteArea
76.03m²
BuiltArea
49.97m²(既存物置3.3m²)
FloorArea
91.97m²
Completed
2013.6

Photo by Hiroyuki HIRAI

門内輝行は伝統的街並の美しさは構成する建物の「類似」と「差異」の共存によるものであるとしている。当計画の既存建物の場合京町家としての「類似」部分は木という素材や格子や引違格子戸によるファサードの構成などであり、「差異」の部分は間口方向の幅や道路際にある井戸の存在などであると考えられる。
間口が狭く奥行きが深い京町家の間口方向の幅は一般的に2間半強ある場合が多いが、当建物では2間強しかない。端的に言えば間口が2間半あれば長手方向の動線空間(廊下/階段いずれも約半間巾)が二本取れ、残る1間半は部屋を作るのに十分な巾があるので、上記の動線空間と室空間の組み合わせのバリエーションによって様々なシークエンスのバリエーションが可能になるのである。この自由度は改修をする場合においても有効であり、構造体を大きくさわる事無く可能なプランのバリエーションが多い。しかし当建物は間口が2間強でそのような自由度が少ないことから、ここでは建物の間口巾を室の巾として一杯に使うように、廊下を排しリビングを動線上ののハブとするいわゆるモダンプランニングとしている。階段もその考えに基づきあらわしとして間口方向の巾の「見え」を妨げないようにしている。
従前の空間は前の住人である小柄な独居老人の生活にまるで振り付けられたかの様にぴったりのものであったが、その厳密さゆえに前住人以外の生活スタイルには適応不可能であり、全面改修が必要となった。前述の平面寸法の窮屈さは高さ方向にも同様であり、天井高も非常に低かった。施主はイタリアに永く居住しており土間床にも抵抗が無いことから1階床は(防湿措置を行った上で)土間レベルまで下げることで天井高さを確保している。床材は坪庭にまで延長され、庭とLDKの連続性を強めている。コストを考慮して構造補強は合板による大壁形式としているが、内部の既設柱を一部あらわしとすることや、光の様相(明るすぎない空間)、素材の質感(床の焼過煉瓦等々)に留意して町家のatmosphereを保っている。

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