柳馬場ワークサイト / 建築物実績

柳馬場ワークサイト

小規模オフィスビルの改修

Region
京都府
Program
事務所ビル
Structure
S造地上3階塔屋1階
SiteArea
295.03m²
BuiltArea
235.60m²
FloorArea
718.28m²
Completed
2004.8
Publications
新建築2005.3
Awards
2005年グッドデザイン賞

Photo by Hiroyuki HIRAI

築20年程度の賃貸オフィスビル、敷地形状は間口(東西)が狭く奥行き(南北)が深いいわゆる「鰻の寝床」型。改修前のプランは中廊下の両側に執務室が並ぶ典型的なオフィスプラン。敷地形状から当然各執務室に法的採光が得られない為かあるいは北側に(迷惑施設の?)小学校がある為か、実際の採光状況を考慮したとは思えない小さな窓が南北側とも並んでいた。オフィスには法規上採光が必要ないため可能なプランであるが、実際に快適な採光が有るか無いかは利用者にとっては大きな問題であり、実際不人気の物件となっていた。
改修では北側外壁を一旦撤去し、そこに後述するエアルースなガラス壁を設置。この南側に(中廊下を取りやめて)巾の広い廊下を設け、その南側に今度は通常のエアタイトなガラス壁を設置して執務空間を形成した。これにより各執務室は北側に全面(床から壁までの)フルハイトの採光窓を持つ事となった。北側採光はアトリエや工場に用いられるように、執務に適したグレアレスな光をもたらす。当建物の北側は小学校の校庭に面しており、未来永劫の保証は無いが(それゆえ法的採光が認められない)、改修の資金回収の目安となる10年程度は十分に保証されると考えられた。北側の幅広廊下は外部と内部の中間領域として内部の環境を調整すると(勾配天井による間接光の確保等)同時に、そこ自体も快適な空間となるよう外壁側のガラスは無双状に並んでおり、その隙間から空気が通る。これにより外部(特に小学校)との連続性を保ちながら雨風を「概ね」防いでいる。現代人の虚弱な体は、(寺の縁側の様な)古典的な中間領域には耐えられないと考えてもう少し環境を調整する為にこのエアルースなガラス壁を設けた。
竣工後当建物は北面する小学校が全館を借り上げる事となり、この北側廊下は運動会の敬老席等、多様に活用されている。

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